●ボンクラなれど、ボンクレはなし

大阪天満宮・表門より南を臨む。快晴。



ときどき思うのだけれども、世の中には盆暮れというのがまったく関係ない仕事がいくつかある。


医療関係といった、命に関わる仕事。
冠婚葬祭関係の、これまた生き死にに関わる仕事。
電気、ガス、上下水道といったライフラインの供給に関わる仕事。
社会的なインフラを整備・維持する仕事はまあそうだろう。
あと、最近は、デパートや大規模な家電量販店も元日や2日から店開けたりしているので、その辺プラス、コンビニという流通関連の仕事とか。
まっこと皆さんごくろうさまである。


かくいうラジオも一応そうなのだ。
ひとの生き死ににもライフラインにも物欲にもあまり関係ないけれど、一応、盆も暮れもなく仕事はある。
ありがたいような、どうなんだかというような。
ただ、媒体関係全部がそうかというと、ちがうと思うのだけれど。


まず新聞や雑誌等の活字媒体は、印刷所の年末進行というのがある。
ゆえに年末は、合併号や正月特大号、正月特別誌面の名の下に、おそらく相当忙しい状況になるのだろうけれど、それが終わって迎える正月は、たぶん空いてるんじゃないかなと想像される(ちがってたらすみません)。


ではテレビはどうかというと、報道関連の担当以外は、やっぱり年末に精出してバラエティ収録に忙しい状況になるのだろうけれど、それが終わって(以下同文。ちがってたらすみません)。


それではラジオはどうなのか。
これも東京からのネット中心の編成だったり、完パケ番組が多かったりすると、盆はともかく暮れ明けの時期は、世間並みに休めるんじゃないかと想像する(ちがってたらほんとすみません)。


となると、コマネズミのようにせっせか働いているところって実はそう多くはないのではなかろうか。
そんなの、私がいま仕事している局のような「24時間7日間生放送」という体制をとっているところの制作部署だけじゃないのかという気がしてくる。


となるとボヤキめいてくるが、そういうことが言いたいのではない(ちょっとは言いたいけれども)。


ラジオは日常の、とりわけハレとケでいえば、たぶんまちがいなく「ケ」のメディアだと思う。
だからひとの生活に近いテンポに沿ってやっていくのがいいと思う。
そうなると、正月といったってーー儀式・儀礼のたぐいは別にしてーー日常自体はそうそうハレなもんじゃないんだから、いたずらに「おとそ気分! 正月気分!」てなことを言い立てたって仕方がない、そういう気がするのだ。
かといってあまり日常日常といって埋没してしまうのも避けたいし。
そのあたりの、ハレとケのバランス具合をどうとるか?


考えてみれば、これってなにも正月に限った話じゃない気もする。
地味でも実のあるものをって話だから。


さてさて長いフリになったけど、今年はとにかくラジオだぜって話です。
福利厚生面では、かように報われることの少ない仕事ではありますが、それでもラジオはオモロいぜと俺は思う。
ってな話を、なるたけしていきたいなと思ってます(あれ、先週書いたことと微妙にムジュンするような気もするけど)。


天満宮に詣でたのち、NHK-FMの「大瀧詠一リマスター・スペシャル」を聴きながら。