●17才、それはただの17才。


Base Ball BearなんばHatch
spring tour '08《17才からやってますツアー》。
ワンマンを見るの、ちょっとあいだが空いてしまった。
心斎橋MUSE以来だから1年半ぶり? もっとか?
そのあいだに、たしかクアトロ、BIG CATがあったのではなかったか。


月並みな言い方だけど、ずいぶん逞しくなっている。
特に関根史織嬢。
左足を蹴り上げるポーズが頻出していたが、非常に男前なベーシストになっていっている模様。頼もしい。


特に照明や映像に凝るわけではなく、シンプルに演奏をメインに据えたステージ。
それだけで2時間を引っ張る。
小出祐介の書く曲のメロディーが、飽きさせないマジカルな要素を含んでいるのだと思う。


歌詞が描き出すところの、いまの十代を取り巻く心象風景みたいなものもいい。
粗雑でなく、ただネガティブなわけでなく。
適度に散文的で、ごく微量に劇的で。


ケータイ小説的な描写とは一線を画している。
つながっていたいという意識が、この世代の主流を占めるひとたちの感覚からすると、やや希薄なのだと思う。
その分、自分のなかに降りて行ってる感じが強い。


岡村ちゃんの「イケナイコトカイ」の一節を突然歌い出す場面もあった(トラブルがあって、2度うたった)。
そうだな、やっぱり、小出氏と岡村ちゃんは通じるところがあるのかもしれない。
つながりたいけどつながれないや、でもつながりたいと思うときもあるんだよ、みたいな。
そういう「もどかしさ」の感覚がある。
それってけっこう信用できるんだわ、個人的に。
サガンやニザンじゃないけれど、あまり眩しくも美しくもない17才や20才だった人間には特に。


小出氏のボーカルが、より聞き取れるようになるともっといいんだけど。


しかし「祭りのあと」は格好のよい曲だ。昂ぶる。イイ年して。




十七歳  C  
映像版『バンドBについて』 第1巻 [DVD]  ←VIDEO CLIP集。「祭りのあと」秀逸。「GIRL FRIEND」「17才」、制服ものに弱い(ヘンな意味でなく)奴ぁ見るべし。



追記:
開演前のSEは、いつものXTCの「Making Plans for Nigel」だったけど、その前に「エヴァ」の予告のBGが流れてた。