●ジャージとロケンローと軽井沢


映画『ジャージの二人』を観る。
堺雅人と鮎川誠のふたり演じる親子が、北軽井沢の山荘で過ごすなにもしない二夏が描かれている。


鮎川さんは、言わずとしれた、SHEENA & THE ROKKETSの鮎川さんである。


おふたりのコメント収録という仕事があって、その備えとして観させてもらったのだが、粋な小品という感じの佇まいで、なかなか得難い映画だった。
こういう作品が、もっとカジュアルに観られる環境があると、ニッポンの民度も向上するのではないかな、などと思ったり。


なかで印象的だったのは、都会の喧噪を離れて田舎の山荘で過ごすというような話なのに、コンビニは欠かせないし、レンタルビデオも欠かせないし、ケータイも欠かせない、みたいな現代のひとたちが出てくるところ。
浅間山の麓で電波を求めて、ケータイを空にかざす姿は象徴的。


堺雅人氏の妻役の水野美紀、すばらしい。


まあ『歩いても 歩いても』といいこれといい、男衆はなんだか生きづらいなあ、情けないなあ、肩身広かねえなあ、という映画ばかり観ているような気もしてくるが。


実際、収録でお会いしたふたりは、どこか浮世離れしているものの、ほんとうの親子のように見えないこともなく、還暦を迎えるというのにスカルのプリントが入ったネクタイを粋に下げた鮎川さんは桁外れに恰好よく、なにが日常でなにが非日常か境目の分からなくなる夕方ではあった。


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余談だが、収録をした中央電気倶楽部。
初めてお邪魔したが、とてもレトロで渋い空間。
堂島の真ん中にこんな場所があろうとは。
大阪で何年暮らしてても、知らないことは数知れず。


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