●両雄並び立つ


チーム・タイムトライアル(チームT.T.)で競う第4ステージ。


チームコロンビアは、やはり昨日足を使いすぎたか、意外にふるわなかった。
一方、T.T.巧者が集うガーミンは早めにスプリンターを見切り、5人で勝負に。見事なタイムを叩き出す。
カンチェラーラマイヨジョーヌ維持という大きなモチベーションがあるサクソバンクも、そのカンチェラーラ自身が先頭に立って引きに引きまくる走りで好タイム。


しかし。
噂どおり、アスタナは強かった。
なんかここまでスターが揃ってると、ヤンキースっちゅうか巨人軍ちゅうかドリームバスケみたいで、微妙にヤな感じすら漂うが、それにしても美しい縦列走行には魅せられてしまう。
結果、ステージ優勝は見事にアスタナ。


しかし。
注目の総合順位は、ファビアン・カンチェラーラが死守した形に。
ランス・アームストロングとゼロ秒差、同タイムで並ぶも、「精密ビデオ判定の結果、ほんの数ミリメートル差でカンチェラーラが優勢」ということらしい。
その「数ミリメートル差」ってどこのどの差を計ってるのか、そのあたり、いまいちよくわからないのだけれど、ランスはほんとうに僅差で及ばず、ということだった。*1
順位の知らせを控えエリアで聞いたカンチェラーラの反応。
両の手の人差し指と親指で、丸をふたつ作って「ゼロだって。ゼロ。わっはっは」。
この豪快さには素直に惹かれる。好漢やね、奴も。


とはいえ、これでさらに面白さは増加。
もし今日ランスがマイヨを着ることになってしまっていたら、なんとなく、「アスタナのエースは、コンタドールではなくランス」という雰囲気が確定しかねないからなあ。
それよりは、まだまだブリュイネール・マジックに幻惑されているほうが愉しめると思う。
王者の梯子に手をかけるのがどちら(あるいは、他の誰か)なのかは、3日後にやってくる初の山岳、第7ステージの頂上ゴールが明らかにしてくれるのを待ちたい。


第1週目、それも3日目、4日目からこんな風に盛り上がるなんて、いつにも増して面白い今年のツール。
日本人選手両名、別府&新城は、今ステージはふるわずだった(チームメイトの怪我も心配される)が、また明日からのチャレンジに期待。



*1:「0.22秒差」だそうだ。