●Cav, Cav, Nicki!


ツール・ド・フランス2009、2週目。
冒頭の3日間は、パリのすぐ南、フランスの中央部の大平原を左から右へ横切っていくようなルート。
都合がつかず、それほど観ることができなかった。
どれも最後の数キロを観た程度。


第10ステージは休息日明け、かつ、7月14日のフランス革命記念日
ということで、特にフランス人選手の力みなぎるアタックが見られると期待。
実際、序盤からフランス人3人(ティエリー・ウポン、ブノワ・ヴォグルナール、サミュエル・ドゥムラン)とロシア人1人(ミハイル・イグナチェフ)の逃げが決まるが、集団と決定的な差をつけるまでには至らず。


というのもこの日は無線禁止デイ。
チームの指示する戦術どおりではなく、選手個々人の判断が活かされるように、また、無線などなかった頃のレイドバックした時代を振り返ろうという趣旨で設けられた日ということだった。
だが、はっきりいって裏目に出たようだ。
集団は、逃げグループを絶えず視界の及ぶところに留めておかないと不安ということで、逃げに対する容認の度合いが劇的に低下した模様。
それに、快適な走行を目指すには無線は必須と考える選手も多い。
「無線がなければ面白いレースにはならないぞ」という意思表示が、レース展開をゆっくりとしたものに留めたという見方もできるようだ。
ステージ優勝はカヴェンディッシュ
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つづく第11ステージも勝ったのはカヴェンディッシュ
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最後の3キロだけ見てるのでは、ほとんど昨日と変わりがないような気が……。
この勝利でカヴェンディッシュマイヨ・ベールも手中に収めた。
チームコロンビアも、スプリンター発射台としてこの上ない強さを発揮している。
平坦ステージでは彼にかなう者はいないのか。
ここまで強すぎるとさすがに面白くない。
誰かカヴにひと泡ふかせてやってくれまいか。
それが新城だったりしたら、最高に気分良いのだけれど。


そして次。ヴィッテルまで走る第12ステージ。
シャンパン街道を抜け、ミネラルウォーターVittel(大会スポンサーにもなっている)の地元まで、抜けるような青空の(しいては灼熱の太陽の)もとをゆく集団。
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熾烈なアタックが繰り返され、後半にようやく逃げが決まる。
さらに残り23キロのところから抜け出したニキ・セレンセン(サクソバンク)が、後続を振り切ってゴール。
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目をむいた、振り切れた表情が印象的。
34歳にしてツールで初のステージ優勝をもぎとった男の気迫が濃厚に漂った瞬間だった。


コロンビアトレインがやってこなかったのは、チームAg2Rの功績によるところ大。
チームメイト・ノチェンティーニのマイヨジョーヌをキープするため、メイン集団をコントロールし、逃げ集団とのタイム差を縮めようとしなかったことが効いている様子。
それでも、カヴェンディッシュもしっかりとマイヨベールを維持。


明日は中級とはいえ、ひさびさの山岳コース。