日録3/21(土)〜3/23(月)
[thinking][living][四半刻雑感]●日録3/21(土)
♦朝のワイド番組〈SATURDAY AMUSIC MORNING〉。
ラス前の曲で雀三郎さんの「ああ、青春の上方落語」を。
米朝師匠に捧げる。瞑目。
♦午後、某アーティストの方のコメント録り。
いつもながら、オノレと1年ちがうだけとはとても信じられないフェアリーな佇まい。
狭いスタジオで、ふわふわしながら収録を終える。
でもまあ、ふわふわしてるのはこちら側だけで、アルバムは凜として精妙。めっちゃ良いです。
レナード・コーエンのカバー、沁みる。
♦夜は自宅に来客。
チビ1号の同級生のご一家。
私とちがって、超がつくほど、きちんとした業界(といってよいのやら)にお勤めの方。
伺う話がどれも興味深い。
差し障りのない範囲でひとつ紹介。
その方のお仕事に付随した業務で「外部の専門家を非常勤として迎える」というのがあって
(私も去年、偶然かつ別件ながら、その非常勤の専門家に助けてもらう機会があったのだけど)、
そこに呼ばれるのはさまざまな職種のベテランの方なんだそうだ。で、どの方もその道のプロで経験豊かな人物ばかりなんだけれど、
ひとつ、共通しているところがある。
それは「相手の話をきちんと聞くことができる人」だということ。
たしかに、私が会った方々もそうだった。
温厚で紳士的で、こちらの言うことを一度も遮ることなく、
最後まで聞いた上でゆったりとした口調で話し始める方だったという印象がある。
この方式には賛否あるけれど
(面映ゆい書き方をしているがご容赦を。
まあ、国民の誰しもが利用するわけではないが、その可能性は誰にでもあるという、
ある公的なシステムのことです)、
日本的な感覚でいうと、合っている部分もあるのでは、ということだった。
私も同感で、白黒はっきりつけることばかりがトラブルの解決とは限らないと思う。
グレーゾーンではあるが、互いの妥協点を見いだすには、
人の話を聞くか聞かないかが大きくものを言うと思うのだ。
企業の現場にも要所要所にこういう人物がいるといいのだけれど(昔はいたのかもしれないが)、
新自由主義が跋扈したあととなっては、
会社で大きな顔してるのは残らず、「他人の話に耳を貸さない」人ばかりという印象がある。
なんでですかねえ。
効率的とかいって回り道を避けてたら致命的に遠回りする羽目に陥ったみたいな感じ、しませんかねえ。
そういう話やら、ごくごく柔らかい話題やら、あれこれ話しながら、鍋をつついていた。
[thinking][living][四半刻雑感]●日録3/22(日)
♦収録と編集を担当した、細馬宏通さんの《ラジオ版 うたのしくみ》第四夜〜「キリンジ」篇が、深夜0時からオンエア。
したらば、Twitter上での反響がものすごいことに。
アルバム曲を中心にした特集ながら、言及の多さ・深さに舌を巻く。
正直、これまでキリンジの楽曲を熱心には聞いてこなかった私だが、
その不明を恥じるほどに、聴き手の皆さんの熱を感じた時間だった。
もちろん、収録時から、細馬宏通さんの語りを通して、ただならぬ予感はしていたのだが……。
イチからキリンジ、聞き直すであります。
細馬さんのWEBでの論考には、キリンジの曲「悪玉」を読み解いた文もあるので、ぜひそちらもご一読を。