●王様は裸じゃないか
「めかぶ」という食べものがある。
緑色で(というか私は色弱なので、あれが緑色なのか茶色なのか、いまひとつよく分からないのだが)、
ぬるっとしてて、パックに小分けされてたりする。
妻からの伝聞であるが、あれを子ども(3歳10ヶ月)に食べさせてみたそうだ。
初挑戦の食べものである。どういう風にこの未知の物体に臨むのか、親としては興味津々である。
初モノのときに拒絶反応を示された場合、再度トライさせるのは、なかなかむつかしいものがある(と思われる。経験上)。
だからといって特に方法はない。なんとなく、さもフツーの食べものであるかのように、フツーに食卓に載せるだけ(だと思う)。
しかしきゃつは気づいた。この見慣れない物体に。
「なにこれ?」
まあ当然の反応ではある。なんだろう、これは。
なんやと思う? まあ食べてみ。めかぶ、ゆうねん。
勧める母を少々いぶかしみながらも、機嫌も悪くなかったのだろう、彼はそのぬるぬるなものを口に運んだ。
そしてひとこと、のたまった。
「なんや、めかぶて。こんぶやん」
おおお、たしかにめかぶは海藻に相違ない(昆布というより、わかめだが)。
だがそういう説明で彼が理解するとは妻は思っていなかったのだろう。
私も意表をつかれた気がする。
子どもが好んで食べてくれるようにと気にするあまり、その食感上のイメージばかりが頭にあったせいか、どちらかというと納豆やもずく(もずくも海藻だけど)の方が近いような気がして、どう説明をしてよいものかわからなかったのではないだろか。
それで、とにかくまあ食べてみいよ、という対応になったわけだが、ノーヒントにも関わらず、彼は彼なりの幼い理解体系のなかで、そのブツの正体をほぼ見抜いた。
生まれて3,4年の存在でもまったく侮れないぜと感じるのはひとつにはこういうときである。
親莫迦込みで、そう思った次第。
【LISTENING TABLE】
『SUPER NICE』 | mo'some tonebender | 快作! [2007/2/21 release] |
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前作も凄かったけど、これまた凄い。キレてたり、伸びてたり(?)。
ゴリゴリな狂い咲きロケンロー(4曲くらいある)から、どPOPなもの(3曲くらいある)、さらにはアコギの弾き語りまで。
「TIGER」 | mo'some tonebender |
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既発シングル。ロックトリオにおける画期的ナンバーでは? 3人が吠え合う姿、ライブで見てみたい。
「JACK THE TRIPPER」 | mo'some tonebender |
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サイケでドリーミン。百々の不思議ボーカルが良い。
歌ってる言葉がとてもしっかりと聴こえる。こんな爆音なのに。
「オバケ」 | mo'some tonebender |
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くだんのアコギ弾き語り曲。Teenage Fanclubの4曲入りEP『have lost It.』を思い出した。
アコースティックゆえのザラリとした感触がある。
「ロジョー」 | mo'some tonebender |
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けだるい女性コーラスが痺れるように効いてくる。なんかほろ苦い。
「We are Lucky Friends」 | mo'some tonebender |
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全然ちがうんだけど、Blankey Jet CItyの「ディズニーランドへ」を想起した。
画期的な“ともだちソング”だと思う(そんなカテゴリーは別にないけどね)。