●Crash on you, Macintosh!

Crashed My PBG4



午後2時すぎにパソコンがクラッシュした。
使い始めてからまだ2年と少ししか経っていない、MacPowerbook G4。
iTunesの環境設定を呼び出すために「コマンド+コンマ」と打とうとして、誤って「コマンド+(コンマの隣の)M」を打鍵。
その瞬間、ディスプレイが一面灰色になり、真ん中のあたりに1ダースくらいの黒い縦線が入ったままになった。


少々チカラが入っていたかもしれない。
それにしても、とっくの昔にキーボードがおかしくなっていた我が愛機である。
1年前から外付けのキーボードを使っていた。
だから、まさかとは思うがキーパンチングの勢いが関係してのトラブルとも考えがたい。


ともかく、マウスを動かすと黒い縦線のうちのひとつがマウスの軌跡に合った動きを示す。
おそらくディスプレイのハード面での問題だろう。
残念だが、ハードディスクが無事だったら、まあしかたないか。


そう思って、ナレーション収録等々、差し迫った仕事をこなしていた。
したらば、IT関係に詳しい友人が言うのである。


「ああー、こうなったことは2度ほどあるけど、どっちもそのままお陀仏でしたね」
そうかー。でもコレ、データは無事やんなぁ?
「んー、たぶん、ディスプレイと本体のあいだのヒンジのとこのトラブルやと思うので大丈夫と思うけど……たまにロジックボードに起因して起きてるって場合もあるから」
ん? それってどういうこと?
「そうやったらハードディスクの中身も全滅ってことです」
ええええ。


というわけで仕事が一段落つくやいなや街に飛び出す。
梅田の某YDBSカメラでは、MacBook関係はほとんどすべて売り切れで在庫待ち。
「あ、これだけ残ってますわ」と店員がいうMac Book Proのもっとも安価な機種に心が動くが、考えていたタイプより10万高い。
その上、先ほどクラッシュした先代モデルとよく似たアルミタイプの筐体である。
このガワはどうも信用ならーん。


御堂筋線で心斎橋へ。雨の中、Apple Storeに。
「なにかお探しですか」と声をかけてくれた店員さんに希望のモデルを伝えたら、すぐに在庫をチェックしてくれた。
MacBookの真ん中の機種。
2.2GHz Intel Core 2 Duo、120GBのハードディスクでSuperDriveの白いやつ。
メモリを2GB増やした分もあるという。


ちなみにそれ、OSはLeopardが載っかってるんですよね。
「ハイ」
その新しいの外して前の10.4に戻すことはできるんですか?
「いえ、プリインストールされている分でして、OSを以前のヴァージョンに戻すことはできかねるんです」
なるほど。


私は特に新しいOSに興味があるわけではない。
仕事で使ってるマシンが突然使えなくなったのでやむなく買いに来たのである。
OSが便利になるより、使い慣れているシステムを長く使えることのほうが嬉しいのだが、やはりコンピュータの世界というのはそうもいかないようだ。


いいです、じゃあそれで。
「かしこまりました。すぐにご用意いたしますので、こちらで」


ここは店員さんの姿勢も良くて落ち着ける。
些少のポイントやらを貯め込むよりも、こっちで買い物するほうが精神的によほどいい。
近寄るとたちまち物欲の魔人の虜囚となってしまいそうで、実はいままで一度も足を踏み入れたことのなかったApple Store
すっかり贔屓になってしまった。


と、買い物は気分よくできたが(しっかり半年ローンにしてもらったが)、そこから事務所に立ち寄って、局に戻ったのが夜の9時前。


果たして旧マシンに繋いでみると……なんとか中身は取り出すことができた。
とはいえ、数十ギガに及ぶものをコピーするのには結構な時間を要する。
2時間かかって旧ファイルやシステムを移行したものの、新しいOSの作法にはやはり戸惑いがある。
結果、要らぬことをしたり要ることをしなかったりで、なんとかそこそこの環境を整えられたのが深夜2時。
そこからようやく翌日の番組のフォーマットづくりや原稿書きに戻ることができたのであった。


なんとか朝8時までには、もろもろ仕上げることができた。
帰宅して30分眠る。
息子に起こされ、保育園まで自転車で彼を送る。
帰ってきてまた30分眠る。
まあ、それだけ寝てシャワーを浴びれば使える身体にはなる。
長年の生活習慣の賜物か。あるいは宿痾か。
11時には局へ。


と、ご承知のように日付はとっくに翌日のことである。
つづきは次の日に。