●Fight the Digital Power


Macクラッシュから三日目。
午後、東京から来られたレコード会社のスタッフのかたと少々、密な話。


いわゆる“スタッフ・キャンペーン”というものが、私は得意でない。
東京のアーティスト担当のA&Rやディレクターのひとが地方にやってきて、我々のような地方のメディアの現場の人間に、直接プレゼンテーションをすること、そういうのにあまり必要性が感じられない。
現場(この場合は大阪という地方)にきちんとプロモーション人員が常駐しているところなら、常日頃、そのひとからよく話を聴いていればそれに勝る情宣活動はないと思う。
まあ、東京からわざわざお越しになったかたには、こちらもまず遠慮がある。
なかなか胸襟を開いて話すというところまでいかない、そういう事情もある。


さて、とはいうものの、今日の話は内容があった。
仕事に気持ちの入っているひとの話は気を入れて聴くことができる。
ひとりのアーティストの状況を、ここまで心に留めて仕事をしているひとがいるということに感銘を受けた。


   *  *  *


夕方、ひょんなことからインフルエンザ接種を受ける。
局のかかりつけの内科医が出張してきていたのだ。
2年前、妻と長男がインフルエンザで倒れたときも、まったく影響を受けず、ひとり下品なくらい頑健に働き続けていた私だが、なにかの縁と思い、一本盛ってもらった。
歯の麻酔を除くと注射されるのなんて何年ぶりだか。
献血も、ほんの数日の英国滞在のせいで軒並み断られるし)


   *  *  *


夜、新MacBookで編集作業。
あるアコースティックユニットのライブ告知の番宣スポットづくり。
私はGarageBandでなんでもやっているのだが(というかこれしか使えないのだが)、さすがにニューマシン。
ストレスを感じない。
さくさく終えてCD-Rにてアップ。
即納品、といきたいところだが、スタジオでサウンドチェックしてみると、どうも音がイマイチである。


まあこれをソフトのせいにしてはいけない。
音加工に関するいろんな機能を私が使いこなせていないせいだろう。


ということで、未明のスタジオで音の調整。
ところがスタジオも、最近デジタル卓が導入されたばかりなので、いまひとつ勝手がわからない。
とゆうかCDのラインにコンプをかけるやり方が皆目わからない。


途方に暮れていると、寝ていた後輩が起きてきて助けてくれた。
熱心にメモしながら方法を聞く。
こういうときの私は謙虚である(と思う)。


しかしややこしい。全然頭に入らない。
思えば、コードをつないで、ラインを上げて、オープンテープをかけて……といった作業はフィジカルな動作と結びついていたから、やはり覚えやすかったのだろう。
いまは、累々と並んでいるミニチュアの墓石のようなスイッチの押し下げと押し戻し作業ばかりである。
これを有機的に記憶することはなかなか難しい。
毎日やらなきゃ無理だろな。頑張ろう。



早朝、5時すぎに帰宅。


次の日がすでに始まっている。