●阿蘭陀の微熱王子?


今日は夕方からスタジオライブの収録。
オランダからの客人、Mr. Wouter Hamel(ウーター・ヘメル)。


ブロンド髪を揺らせながら、小ぶりのガットギター(あまり高価なものではなさそう。「3/4サイズ」と笑っていた)を携えて登場。
てきぱきとチューニングし、ギターに合わせて軽く歌ってサウンドチェック。
いざ本番収録となったのだが、これがなかなか。
CDで聴いていたとおりの、ぐっと引き込まれる声である。
プロフィールにあった「十代の頃はジェフ・バックリーの熱烈なファンだった」という言葉に改めてうなずく。
中低域のヴェルヴェットヴォイスから高域で短くシャウトするところまで、まことに滋味豊かな声音。
ジェフと比べると、エモーショナルというよりもクールな印象のボーカルだが、なんというのか、糖度は低いはずなのになぜか甘い、そんな感じは共通するものがあると思う。


こうしてまだ明るいうちにギター一本で聴くと爽快感のほうが先に立つが、アルバムでは、強めの蒸留酒を片手に聴きたくなるようなムードに誘われる。
酒を誘うのは、主にエレピの音とあいまったときの彼の声なのかもしれない。
ジャズのスウィング感をきっちりと下味にしながら、ポップな自作曲(全曲3分台!)が大半を占めるデビューアルバム『Hamel』。
良盤である。


王子は2曲を披露して、女性DJ&スタッフたちをくらくらさせて去っていった。
年明け2月には、また日本に来て、Billboard Liveの大阪と東京でライブがあるとのこと。
そんときゃ気兼ねなく、ちょいといい酒でも呑むか。


収録したライブは来月18日にオンエアする予定。






ヘメル