●碧玉甘酢あんかけ賛美


木村カエラの新曲「Jasper」が良い。
特に耳を惹かれたのはサウンドメイク。
キラキラした曲調と歌詞を持つ曲なのだが、カエラ嬢のボーカルと打ち込みのリズムまわりは比較的デッドな音になってる。
ちょっとこもったような感じで、つまりドシャドシャと派手な音にはなっていないということ。
抑制の効いた、このバランスの具合が絶妙。
甘酢っつうか砂糖醤油っつうか、相反する要素をひとつところに閉じこめたみたいなマジック。
見事に後を引く味付けではなかろうか。
冴え渡る卓球プロデュースワーク。


全然別のアーティストの曲の話なのだけれど、某リミキサー/プロデューサーが手がけたもので(面白いと思うし嫌いじゃないのだけれど)「繰り返し聴く」という一点に関していうと、なんだか疲れてしまうなあ、つづけてはどうも聴けないなあと感じる曲の一群がある。
なぜそう感じるのか、石野卓球氏のこの仕事っぷりを前にすると、ちょっとわかったような気がした。
イケイケの80年代とは一線を画し、諧謔と抑制の90年代に出てきただけのことはあるのか電気。さすがやなあ。




Jasper (DVD付)