●自由な筆でだらしないままに


藤井裕ソロアルバム『フジーユー』発売記念ライブの大阪篇@アメリカ村BIG CAT。
出演は、もちろん藤井裕本人に加えて、ゲストが凄まじい。
有山じゅんじ石田長生/Char/厚見玲衣/林敏明/正木五郎/忌野清志郎


高校の頃、The Voice & Rhythmにヤラれてた時期がある。
FM大阪で流れてた厚生年金会館のライブをカセットに録って何度も聴いてた。
「ITEMAE MUSIC」とか「過激なLOVE SONG」とか。
かっこよかったなあ。


砂川正和&金子マリのダイナマイトなツインボーカル、国分輝幸&渡辺悟のツインキーボードという強力に贅沢な編成が好きだった。
たぶん、サウス・トゥ・サウスにもソーバッド・レビューにも間に合わなかった私にとって、“ヴォイス”は、唯一リアルタイムで観ることのできた、大阪生まれの大編成ソウルバンドだったので。


むかーしのチキンジョージ(キャバレーの2階にあった頃)に観に行って、ガキのくせに最前列で騒いでたら悟さんがショルダーキーボードを弾かせてくれた、なんてこともあった(鍵盤のコードなんて知らないので、上ずりつつもドーミーソーと押さえたら、よしよしと手叩いてくれたっけ)


で、やっぱり大人数のバンドを続けていくのは難しいのか、なにか別の事情によるのか、アルバム1枚(『IT'S ONLY DANCE MUSIC』ひさびさに聴きたいなあ。ジャケットはひどかったなあ)を出してすぐに、“ヴォイス”はトリオ編成になる。
石田・藤井・正木という、これはこれで最強のトリオではある。
ただそうなると、なんだかもう別のバンドのような気がしてしまって、あまり聴かなくなってしまった。


この夜は、その第2期The Voice & Rhythmのトリオのメンツでの演奏も聴かせてくれた。
いまなら素直に“別物”として聴ける。
ほんとうに凄まじいトリオだったんだなあと改めて思った。


もうひとつ発見したこと。
意外に(失礼!)裕さんの歌はとてもいいということ。
味がある、とかいうよりなにより、力がある。
力といってもパワーボーカルというような意味じゃない。
あのひとのベースが持ってるパワーに比べたら弱々しいくらいにつたない歌ではあるけれど、引き込まれる。
ぐっと自分の世界に引き込む力がある。


アルバムも良くて。
ニーナ・シモンアル・グリーンマービン・ゲイが出てくるのは、伸ちゃんとやってる「眠れない」というブルース。
「引きこもり」もいいし、「君を描く」のサビに入るところはちょっと背中が泡立つ感じ。
「心の中のカード」も名曲。


[rakuten:ebisu:10441909:title]
http://www.ne.jp/asahi/mappy/morochan/yu/fujiiyu.html



アンコールではさらに、三宅伸治押尾コータローもステージに呼ばれて、前っつらに7人が並び、春一番さながら(Last Waltzさながら?)「The Weight」の日本語カバー。
これがもう、めちゃくちゃによかった。
いいもの見せてもろたなーゆう夜。




追伸
ボーカルでは有山さんもほんとにオリジナルな声&唄で。
(↓ここで聴ける友部さんとのデュエット、凄い)
http://jp.youtube.com/watch?v=Fv7DAaAmwbk&feature=related




さらに追伸
「フジーユー! フジーユー!」と、キヨシローさんが何度もコールするのを聞いていて気づいてしまった。
蒼井優と語呂がかぶるのだ。
うーん、それはちょっと。
ジーユー、アオイユー。
あ、でもちょっとかっこいいな。
アオイユーガッタフィーリング。アオイユーガッタフレンド。




[文中敬称略したり略さなかったり]