●世界の風景が飛びすさぶような


そういうライブだった。
ジン@心斎橋クラブクアトロ


スタジオライブを収録したこともあったが、ワンマンを観るのは初めて。
盤石のプレイ。
もともと演奏は巧いひとたちだが、お上手というのとはちょっとちがう。
音作りのセンスがいい。
そういう感じがする。


vocalひぃたんが、やはり感情がいちばん乗っかるパートでもあるので、安定を欠くところがないとはいえない。
緩急の緩を覚えたら(緩の必要性を自覚したら)当代の名うてのボーカリストになりうる器だと思う。
が、いまはノーコン気味でも剛速球を投げ込むことに執心してよし。


「お天気雨」は名曲だと思う。
「白夜」とタイトルコールして歌った新曲も良かった。


自然現象や鉱物などに表題を得た曲が多い。
太い筆圧で描く抽象画という趣きもあって、持ち味ともいえる。
ただ、その世界観&歌詞が変化してくると、ひと皮剥けるということなのだろうなという予感もしている。
受けを狙ったりということではない。
迎合を求めているわけではない。
そうではなく、このくだらない世界のつまらない私たちのことを、接写レンズで写し取るように歌にしてもらえたらなあ、ということ。
そういうことのできるひとたちだと思うのだ。


今後もライブを、がしがしやっていく模様。
刮目して待ちたい。




クオリア 言錆の樹