●2008年ベストソングス30傑・中編
# | song title | artist name | included item |
---|---|---|---|
11 | グッドモーニング センチメンタルウーマン | サンボマスター | |
12 | シンクロニシティ | MO'SOME TONEBENDER | |
13 | AMPLIFIED TEENAGE STRESSES AND STRAINS | LOSTAGE | |
14 | Jasper | 木村カエラ | |
15 | Innocent Love | TOKYO No.1 SOUL SET | |
16 | Baby cruising Love | Perfume | |
17 | 六月十三日、強い雨。 | 安藤裕子 | |
18 | LIKE A DREAM(LIVE) | 忌野清志郎 | |
19 | 太陽に歌って(戸山ハイツ) | 仲井戸麗市 | |
20 | 夕焼け空に摩天楼 | 中山うり |
以下、注釈カウントダウン。
#20 「夕焼け空に摩天楼」 中山うり
アコーディオンを手に、聴く者の胸に染み入る叙情をうたう、シンガー中山うり。
現在の視点でレトロスペクティブなサウンドを構築していく彼女だが、前作までは、やや才気走った感が強かったことは否めない(それが他の凡百の女性シンガーとは一線も二線も画すエッジ感を供していたわけだが)。
しかし今回到着したのは、一風ちがったテイストを持つ普遍的なメロディーのシングル。
後半で聞こえてくるトランペットには落涙必至である。
“いまだ下校途中にある”全ての音楽ファンを家路に導く、名曲誕生。
(ナカヤマはドヴォルザークを超えたか?!)
−−とゆう惹句とともに、某「全番組でかかるごっつい循環」曲に推挙(一応、こちらの気持ちがあがってるときは、こんな推薦文をくっつけてたり)するも、残念ながら選出には至らなかったが。
まあ某枠も、いまはなんだか'80〜'90年代の芥川賞みたいなことになってるから残念でもなんでもないんだけれど。
#19 「太陽に歌って(戸山ハイツ)」 仲井戸麗市
ポエトリー・リーディング作品をメインに収めた7曲入りアルバム『Poetry』の核を為す大作。
ただ、大作ではあるが、構えることはない。
やわらかな鍵盤とスライドギターの音色につづいて、2分を過ぎたあたりからチャボの声が聞こえてくる。
あとはぼんやりと耳を任せていればいい。
語られるのは、高度成長期初期・1950年代後半から60年代前半にかけて、東京は新宿の集合住宅で育ったひとりの音楽小僧の少年時代の風景。
15分を超えるこのナンバーを聴き終える頃には、目の前に、オリンピックを迎える直前の東京の景色が浮かんでいるはず。
#18 「LIKE A DREAM」(LIVE at 完全復活祭・日本武道館) 忌野清志郎
MG'sとのライブ盤『HAVE MERCY!』にも入っている曲だけど、これはもう断然、今年2月10日に武道館でひとりでギターを弾きながら歌ったバージョンで。
歌い終えたあとの、「また会おうぜ、Yeah」という声を聞くと、そうだよな、そうだよなと思えてくる。
別枠で特別賞を贈りたいくらいだけれど、そんなのも洒落臭いと思われるだろうな(誰に? ボスに)ってことでチャボさんの隣に。
#17 「六月十三日、強い雨。」 安藤裕子
年の初め、1月に大阪・中之島の中央公会堂でのライブで初めて聴いた。
遠藤周作の『女の一生 一部〜キクの場合』にインスパイアされて書いたというMCも印象的で。
文庫本すぐ買ったけど、読めてない。
#16 「Baby cruising Love」 Perfume
Perfumeに開眼した曲。
こわいもので一度目覚めてしまうと他の曲も俄然輝いて聞こえるのだが、センチ野郎の私は、やはり切ないとこにグッとくるタイプのが好きなんだろうな。
ZEPP OSAKAのライブにも行った。おもしろかった。
ちなみにキャンディーズでもミキちゃん派だった私はもちろん、かしゆか派。
#15 「Innocent Love」 TOKYO No.1 SOUL SET
俊美氏が、いい感じにダミな声で女言葉の歌詞をうたう。
個人的に、CRAZY KEN BAND(「せぷてんばぁ」「横顔」)、斉藤和義(「男と女」「彼女は言った」)と並んで、“おんな言葉うた”御三家の一角と呼びたい。
秋にKyon 2がカバーしたことで、また注目度アップ。
でもやっぱこっちのがいい(小泉さんのアルバムだと「−−ブギウギウギ」がいい。「秘密の森」もヤバいが)。
#14 「Jasper」 木村カエラ
これ、リリースのときにも書いたけれど、さっきのPerfume=中田ヤスタカ陣営の対抗という面もあって。
中田ヤスタカの音は徹底して脳を攻めてくるような印象が私にはあって、つづけて聴いていると微妙に疲れてくる。
明るい神経症みたいなその世界は、それはそれで得難いものなんだけれど、カエラのこの曲はやっぱ身体に迫ってくるんだな。
直接手足に響いてくる感じで気持ちいい。
石野卓球のサウンドメイクの凄さをひしひし感じた1曲。
#13 「AMPLIFIED TEENAGE STRESSES AND STRAINS」 LOSTAGE
たとえば凛として時雨がその「壊れっぷり」で高い評価を集めるバンドだとするなら(好きだけど、時雨も)、LOSTAGEは「再構築っぷり」に、もっと強い支持が集まってもいいと思うバンド。
グランジ、シューゲイザーといった“世代の音”の要素が惑星の重力に引き寄せられる宇宙の塵みたいに周囲に集まってきた、けれどそういう段階はもう過ぎた、つぎはそれを使ってどうするかってことだろ。
……みたいなことを黙って実行に移してるバンドじゃないかな。
《MINAMI WHEEL》で観たSUN HALLでのライブもしっかり酔えた。
曲は違うけど、この曲(「母乳」)もよかった。
#12 「シンクロニシティ」 MO'SOME TONEBENDER
ここ数年、毎年のように、ハイジャンプ魔球かギャラクティカ・マグナムかっつうくらいの必殺曲を次から次へと繰り出してくれる頼もしいバンド。
毎回ネクストレベルにブレイクスルーしてるから、フツーの客がついて来れないのだろうか。
大阪城野音で春に見た《SWEET LOVE SHOWER spring》の1曲目もこれだった。
左手に巨大なオモチャの手(スポンジでできたようなやつ)をつけて登場。
右手で開放弦をかき鳴らしながら歌い始めて、ドラムスが入ってくるのと同時にオモチャ手を床に投げ捨てて、真剣にギターを弾き出す百々和宏。
ひたすらかっこよかった。