●備忘日録:安室奈美恵@大阪城ホール


夜、いそいそと安室奈美恵のライブに詣る。
およそ似つかわしくない中年オトコがどうかと思うが、好きなのである。
ちょうど一年前、初めて彼女のライブを拝する機会を貰い、非常に愉しんだ。開眼した、くらいな勢いである。
今回は、場所も豪華に大阪城ホール
最前3列目という、おそろしいところで観させてもらった。
周囲200人くらい全部女の子。
そのなかにぽつんとおっさんひとり。
でもまあ、トシを取るというのは、これはこれでおそろしいことで、そうゆうのも別に平気になっていたりはする。


さて、20分ほど押してライブのスタート。
階段を使った絢爛豪華なステージセット。
リングリングサーカスばりに、左右に円形の別セットが組まれている模様。
最初は朱の幕で隠されているが。


9人のダンサーを引き連れてのステージで、それはそれで、ストリートダンス好きの諸賢ならば相応の見どころがあるものなのだろう。
が、申し訳ない。
私は、安室嬢しか目に入っていない。


いやあ、カッコよい。
MCは、ついにアンコールラスト曲まで皆無。
ひたすら踊って歌うだけである。
このところのライブの傾向で学習したのか、お客さんの乗りがナチュラルでよい。
キャーキャー騒ぐ感じがない。
「なんか喋ってー」という、MCを求めるあの耳障りな掛け声も私は聞かなかった。皆さん、さすがである。
ま、さすがに歌モノのときにはやや余裕があるのか笑顔も見られる。
いきおい会場からは「かわいー」という声も挙がる。
が、申し訳ない。
難易度の高いステップを決めながら、真剣な表情で歌う安室嬢が好きなのである。


しかし、ずいぶんとストイックである。
彼女の歌の世界観も、踊る姿も。
男性ダンサーと少々Bitch風に絡んだり、ポールダンス的な舞台も設けられているのだが、「おんな」的なものが微塵も感じられない。それはそれで少々不思議な風景ではある。
このあたり、もっと考察が必要。


ともあれ、「フィクションであれ全力で踊ればリアルに転ずるのだ」といわれているようで、腰痛に悩む四十男も充分、力を貰った。