●格好悪いことはなんて格好悪いんだろう


大根仁さんが紹介してたマンガ、久保ミツロウの『モテキ』。
ようやく手に入れて読む。
文化系派遣社員・藤本幸世(30歳男子)をめぐる、まあ言ってみれば実にイジッとした話なのだがこれが相当面白い。
主人公の身も蓋もないダメっぷりがいっそ気持ちいい。
出てくる女子たちの描き分けが非常に上手い。


各話のサブタイトルは、大江千里からムーンライダース柴田恭兵からホフディラン、森高、中山美穂フラワーカンパニーズ(!)にいたるまで、幅広いニッポンのポップス、ロックから採られている。
そういう遊びも衒学的な趣味に留まってないとこがいい。
(この、サブタイトル遊びのハマり具合って、『軽井沢シンドローム』以来のような気がする)


しかしそれにしてもなんとゆうか、こういう話が30歳の男を主人公にして成り立つところが時代だよなあ、とは思う。
モテない男の話ったって、『どくだみ荘』とはちがうもんなあ。
平均寿命が延びてるのにしたがって、DT患いのトシも延びてるってことか。
いや、そうゆう患いはトシや経験に関係なく、普遍的に男どもを襲うのだってことか。
たぶんそうだろうな。


TBSラジオ「Life」でやってた、「草食系男子の本懐」でのトークがダブる。


モテキ (1) (イブニングKC)