●雨のバルセロナ


ツール・ド・フランス2009、スペイン領に入って最初の日。
ジローナからバルセロナまでの181.5キロ。


今日は、ほとんど観戦できず。
帰宅してJ SPORTS chをつけたら、残りすでに5キロを切った場面。
雨模様のなか、デイヴィッド・ミラーがひとりで逃げているところだった。


そのミラーも、1.5キロで集団に吸収。
その手前、残り2キロの地点からすでに始まっていた上り勾配が、ゴールであるバルセロナ五輪のオリンピックスタジアムまでつづいている。
登り坂での勝負となるので、純粋なスプリンターには厳しい。


アタックしたオスカル・フレイレのすぐ背後から、トル・ヒュースホフトが飛び出してぐいぐいとゴール。
アーノルド・シュワルツェネガーに顔も喋り方も似ているという噂のノルウェー人が序盤最後のスプリントコースを制した。


ここまでのスプリント勝負では思うがままにふるまっていたマーク坊やは、完全にフラットな路面でないと力を発揮できないということで16位。
なんとなく、山岳の足音が近づいてきているような、そんな幕切れだった。
これでマイヨヴェールに関しては、カヴェンディッシュよりヒュースホフトのほうに現実味が出てきた気もする。


さて、それはそうと、ゴール地点のバルセロナはスペイン第2の都市。
大都市の舗装路なので、クルマが落としたオイルや埃など、邪魔な要素が路面に散らばっている。
そんな具合で、もともと滑りやすいところに雨である。
かなり危険なコース状態ではないのかと思っていたら、案の定、新城やボーネンなど転倒者が続出したらしい。
コース設定に無理があったのでは、と知った風な考えが頭をよぎった。
だが、クリス・カーマイケルのコラムによると、この雨は恵みの雨だったかもしれないということ。
気温が低下することで身体の疲弊を防ぐという面でも、また全体のペースが落ちることによって体力を温存できるという面でも、明日からの山岳コースに向けて、かえって助けになった選手は多いのでは、という指摘だった。


三週間という長丁場のレースだけに、なにが吉と出て凶と出るのか、素人目にはわからないことが多い。


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Thor HUSHOVD、ちょっと竹中直人風のポーズで。