●BRAVO FUMI!!!


ツール・ド・フランス、最終・第21ステージ。


終わったなあ。終わってしまったなあ。
そう思いながら、昨夜は、ほとんど寝付けなかった。
興奮を鎮めながら、むしろ力をもらったような気になりながら、明け方に取材の構成台本を書いていた。


興奮の理由は、まぎれもなく別府史之、その人にある。


昨日のエントリーに書いたような、ぼんやりとした幸福感に包まれながら、いやぁ、いろいろあったけど面白かったなあ今年も、と自称・気のいいオッサンのごとく、回想をかぶらせてパリに向かう集団を見ていた。


目ん玉見開いてゴールしてきたセレンセン、ちょっと“村杉蝉之介”に似てたなあ。
ハウッスラーの泣き顔ゴール、グッと来たなあ。
ひとりでトライアル走ってあれだけ速いのに、チームにも尽くすなんざ、カンチェラーラは男だよなあ。
モローの奥さん、美人だったなあ。
シュレック兄弟は−−涼しいルックスに似合わず−−ほんとブラッドブラザーズだなあ。
ランスって、どんどん修験僧みたいな表情になってってるけど、あれでも毎晩せっせと、twitter打ち込んでんだなぁ。
コンタドールは強すぎて面白くないけど、来年チーム変えて、ブリュイネルのコントロールから離れたら、ランスと凄い勝負しそうだなあ。
でもやっぱサストレにがんばってほしいよな。
待てよ、ヴォクレールに引かれて新城がゴールしたの、あれがちょうど3週間前だっけ、びっくりしたなあ、あれは。


……そんなぼんやりモードが、シャンゼリゼの周回に入ってすぐ、改められる。


別府がアタックを仕掛けた。
と思ったら、そのまま見事に逃げを決め、先頭集団を作ってしまった。
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そのエスケープのなかでもしっかりと交代しながら頭を引いている。
これはいったい、どういうことだろう。
あのシャンゼリゼのコースを、別府が先頭で走っているのだ。


ここからの50キロ足らず、1時間弱のあいだは、夢のような時間だった。


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この先の先頭に、別府がいるのだ。


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こんなことがほんとうにあるんだな。


信じられない気持ちでずっと画面を見つづけていた。


   *  *  *


サイクリング専門サイト以外の、スポーツ紙、一般紙でも続々と記事になっている。

カヴェンディッシュがシャンゼリゼで驚異の6勝目 別府は華麗なアタックで敢闘賞受賞!
別府、有終の逃げで敢闘賞獲得!/ツール
別府敢闘賞!日本2選手初の完走/ツール (1/2ページ)
別府・新城が日本選手初の完走 ツール・ド・フランス
別府 「日本人選手の出場意欲を高めたい」、ツール・ド・フランス


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敢闘賞を獲得した別府史之


   *  *  *


総合優勝、2位、3位。それにジャージ各賞など、ほかにもいろいろあるのだけれど、まずはともかく。


すごいぜ、フミ。
それにしても敢闘−−敢えて闘う−−って、いい言葉だな。