●一勝一敗


ほとんどテレビを(特に地上波の民放は)見ないので、たまに見る機会があるとCMとか凝視してしまう。
なるほど、斉藤和義が出てるというCMはこれか、とかいろいろ発見がある。


今クールは、TBS磯山&長瀬智也コンビの『歌姫』を見るつもり。
先週の初回を見たかぎりではなかなか期待できそう。


まず興味を惹いたのが方言の使い方。
あれだけ大胆に方言を盛り込んでるのも珍しいのでは。
NHKの朝ドラ等の場合、全方位に配慮した結果、なんかお仕着せの洋服着せられてるような方言のセリフになってることが多い。
ネイティブスピーカーが喋るときはいいのだけれど、非ネイティブの人間が方言指導のもとに話すときはその傾向が顕著だ。
そこへ行くと、このドラマの出演者など、ほとんど非ネイチブばかりと思われるが、白々しくない。
土佐言葉でまくしたてる場面など、意味するところはほとんど分からないが別に気にならない。
筋はシンプルだし、威勢の良さも含めてセリフというものは体感するものだと思い切っている感じがして好感を覚える。


長瀬が演じる快男児は気持ちが良い(そんなにたくさん見ているわけではないが)。
「ふぞろい4」や「白線流し」の頃と変わらず、柄の大きい、しかし反面、細かな表情のある演技をする。


相武沙季の闊達さは厭味がないし、風吹ジュン高田純次遠山景織子もふさわしい役どころ。
秋山竜次、飯島ぽぽぽらの怪演もスパイス効いてる。
(唯一、???なのが斉藤由貴の存在であるが……)


昭和30年代の港町の純情シネマものという設定。
ただのノスタルジアには終わらない気がするが、ま、別にノスタルジアで終わったって全然かまわない。


サタケミキオというひとに関心が湧いた。
とりあえず、今夜の分が楽しみである(ビデオをいつ見られるかわからないが)。




で、つい調子に乗って、もひとつ見てみたのが日曜の明石家さんま長澤まさみのやつ。
タイトルも記憶に残ってない。
あれはつまらんなあ。
せめてコイズミさんが出てくるまでは、と頑張ってはみたものの、あまりの下らなさに早送りの連続。


さんまにひとりで喋らせたって(それも回想シーンの説明なんて)面白いわけがない。
この人はダイアローグのひとなのだから。
かといって、さんまと森下愛子、もしくは、さんまと長澤の掛け合いが、かつての「さんま-大竹しのぶ」に比肩するかというと疑問が残る。
あれを模したいという制作者の狙いは透けてみえるようだが、見る方もそれを想起するだけにキツいものがある。
んなもん、なぞったってしょうがなかろうに。


だいたい森下愛子は地面から数センチ浮いてるような不思議さが伴ってこそいいのだ。
ただハイテンションなだけの主婦では魅力を発揮できるわけもない。
森下起用のミスに象徴されるように、「コメディー」を演じようとして滑っている印象がぬぐえない。
ご都合主義の脚本も致命的。
1時間返してくれんか(早送りしたけど)。