●「写ルンです」に映るもの


午前中に東京から大阪へ移動。
のぞみ車中で「岡村ちゃんライブ評」をなんとか仕上げる。
残った時間で、持参していたRe:Sのvol.6「特集 一生もん」を読む。


富士フィルムの大ヒット作「写ルンです」をめぐる勇気と男気のストーリー。
やるべきことをやるのだよというおじさんたちが、たくさん登場する。
世にも稀なリサイクルの優等生でもある、レンズ付きフィルムという商品から見えるものは果たして?
割り箸の話[http://d.hatena.ne.jp/garak/20071003/]にも通じるなにかを感じた。


フィルムということでいえば、以前、蜷川実花さんが言っていたことを思い出す。
デジカメですか、銀塩ですか、という問いに対しての答え。
「フィルム。シャッターを押したときの、取り返しのつかないことをしている感じがいい」
たしかそんなような発言をどこかでされていた。


技術の進歩というものは、基本、取り返しのつかないことを減らしていくことを志向するものなのかもしれない。
それはそれでとても意義深いことではあるけれど、つまるところ、それは錬金術と不老不死に至る道程なのかという気もする。
それだけだったらつまらない。
気合いの入った技術者のかたがたに失礼だとも思う。


なにがなんでもリサイクル、リサイクルとさえいっておけば、この罪深い生の免罪符になるようなあの感じ、あの風潮。
それって不老不死を願うのと、どっか通じてないか?
そんなこんなでなんだかモヤモヤとしていた気分に、やや光を差し込んでもらった気もする。


きちんと生きて、きちんと使命を果たして終える。
きちんと使って、きちんと使い回して、終わるときがきたら終わる。
そういうことを考えた。答えが出るものでもなく。それはそれとして。




Re:S Vol.6