●20世紀少年リヴァプール経由


この2ヶ月余り、ずっと取りかかっていた仕事がようやく落ち着いてきていて、その反動か、どうも頭がまとまらない。
という最中、浦沢直樹の『20世紀少年』をようやく読んだ。


20世紀少年』は読んだかい? と確認してくれるひとがいて、そうだった、読み損ねてたな、読みたいなという気になったのだ。
以前、ぼちぼちとマンガ喫茶で追っかけて読んでたのだが、挫折してた。
10巻くらいのところまで行ってたところで、そこから先のーー当時連載中だったあたりのーー展開をひとから聞いてしまい、興味を削がれていたのだった。


で、古本屋にて全22巻+2巻、大人買い。大人げないのに大人買い
最後まで一気に読んだのだけども、いろんなことで符合するところがあって、やられた。
そうか、こういう場面がここに来るのか、とか(屋上ね)。


スティーブン・キングの『IT』や『スタンド・バイ・ミー』に近い読後感もあり。
連載開始当時、この荒唐無稽な設定が、一連のオウムの事件を受けて妙なリアリティを持ってたことも思い出した。
ということは、今回読み直すまで、そんなことも忘れてたということ。


“ともだち”というキーワードに絡めると、橋本治が『日本の行く道』ではっとするようなことを書いてた。
それもごく冒頭で。
偶然のシンクロだと思うが、えー、それはまた今度たしかめてから。


そうそう、そんなところに月末がやってきて、わたわたしてるところで聴いた、RIngo Starrの新曲が良かった。
「Liverpool 8」。
http://www.youtube.com/watch?v=Ag1MgtHzEqI&feature=related


オーケストラアレンジで、はっきりいって大袈裟な作りである。
ベタである。
ちょっと照れくさくもある。
でもこういうアンセム調の曲をやっても厭味にならないところが、さすがリンゴである。
(ポールがやると、どうも胃液がせり上がってくる気が……)


ビートル時代の回想が織り交ぜてあって、ハンブルグのレッドライトとか、シェアで演奏したとか、そんなくだりも出てくる。


そうしてシメの一節はこうである。


Liverpool I left you, but I never let you down.


かっこええなあ、リンゴ。ほんましびれるわ。


20世紀少年』でいえば、ヨシツネ的役どころか。
御年67歳。あんたは長生きしてくれ。






Liverpool 8