●本を放つ



『忌野地図』、本日発売となりました。
早速、先輩先達友人諸姉諸兄の皆様から「買ったぞ読むぞ」のご連絡いくつか。ありがたや、いたみいります。


そういえば、「見なくてもいいよ。買ってくれれば」というのは高田純次先生のDVDの名キャッチですが、あたしゃそんなこと言えません。言いません。
でもまあ、できれば手元に置いていただきたいなあ。
パラパラめくってみれば、きっと手元に置きたくなるはず。
外盤のアルバムくらいの値段するけど、その質感たるや納得の仕上がり。
そりゃもう手元に……。


だんだんジャ*ネットのひとみたいな口調になってくのが自分でも分かるのが、いと口惜し。
しかし、ま、照れてる場合じゃござんせん。
ここで本書の長所・美点をいくつかご披露させていただきます。

  • まず写真。

ニッポン・ロックン・ロール・フォトグラフ界の名手、岡田貴之氏によるイマジネーション駆けめぐりまくりの写真表現を真空パック
もちろん岡田さんはプロフェッショナルなので、いい仕事っぷりなのは当たり前。
それでも、こんなに雄弁な写真に出会えるのはそう容易なことではないと思います。
清志郎の歌をフルボリュームで聴きながら、じっくり何度も眺め入っていただきたい。

  • そして装幀、紙質。

その写真を活かすためにも、いい紙使ってございます。
このあたりは編集にあたってくれた森田“LuckyRaccoon”恭子さん、入江弘子さんの両名のこだわり、
そしてデザインをしていただいたhanagaraの青屋さん、カミジョウさん(直接お礼も言わず済みません)のセンスに負うところ大(というかお任せ)であります。
このネット時代にあっても、手から受ける触感というのは変わらずにあるもの。
手に取ったときの適度な重み、表紙や各ページの手ざわり、それをめくっていく所作。
そうゆうの全部ひっくるめて「本を読む、見る、眺める」という行為なのではないか、と。
とすれば、これはその行為をいい感じで愉しんでいただけるブツであると、保証してよいのではないか、と。

  • なにより、帯。

なんと忌野清志郎さんご本人から、直筆による有り難きお言葉を頂戴しております。
「ひとのフンドシですもうをとるとは この事かっ!!」と的確に本書の特徴をえぐり出していただいております。
さすがでございます。“イマーノ '08”のコピーライトも厳かでございます。

  • で、文章はーー?

これはまあ曰く言い難いところではあります。
ここには、エッセイなのか小説なのか紀行文なのか評論なのか、あるいは誰かに宛てた手紙なのか、なんだかようわからんなあという25のストーリーが入っておるわけです。
で、これは長所といえるかどうかわかりませんが、拙文の特徴をひとつ挙げるなら、どれも文章の終わりとともに標題に掲げた曲がほんとに流れてくるようになっているところであります。
なっておりますというのはヘンな言い方ですが、そうなのです。
どのストーリーも、(ラジオの世界ではアナ尻というのですが)最後の一文のあとに、その曲のイントロが流れてくる。
流れてくる流れてくーるー、それはあなたのー頭のなーかーにー。




最後に、話の順序が逆なようですが、この本には、4年のあいだ、雑誌「LuckyRaccoon」に書き散らかした文章が集められています。
なかには締め切りに間に合わず、やむなく未消化のまま掲載に至ったものも何篇かありました。
そういう回(ex.「Sweet Soul Music」)のものは、これを期に大幅に書き直すことができました。
再試合の機会を与えてもらえただけでも、書き手としては有り難いこと。
なんとかトライに持ち込むことができたようで、ほっとしています。


では、あとがきのあとがきみたいなことになりました。
なんぞの巡り合わせで、清志郎さんのフンドシ借りて四股踏むことができました。
ひとりでも多くのひとに、一回でもようけ読んで眺めてみてもらえれば、それはもうほんまに嬉しいことであります。


   4年に1度の閏日に   大内幹男 拝








忌野地図 入手経路

『忌野地図』は一般の書店では取り扱っていません。


OTOSHOP
TOWER RECORDS
HMV


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タワーレコード
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