●彼女の背中に浮かんでる、孤独の孤の字が


「Switch」の最新号、小泉今日子特集。


黒沢清犬童一心の対談、鋭い。

黒沢「……ある環境、ある脚本、求められるものによっては、不意にガードをバーンと解くんでしょうね。それがすごい。」

と「女優・小泉今日子」の本質を突く。
さすがである。


後半のA to Zのページにある小林聡美のコメントもいい。
八丈島の」……じゃなくて、「同級生のキョン」というタイトルの小文。
「コイズミとコバヤシだから同じクラスだったら、たぶん出席番号が前と後になって」というくだりはどこか別のものでも読んだことがある気がするけれど、何度見てもこのふたりが並んでる様子を眺めるのはいい。
なにかしら幸福な気になる。
幻想がらみじゃなくて、リアルを感じさせつつハッピーな印象。
そういうのって、あんまり醸し出せないもんだと思う。
かえすがえすも『すいか』は名作だった。


あと、和田誠が『快盗ルビイ』の頃のことを思い出して書いている文も。
親愛の情と敬愛の念に溢れている。


独りなのは別に不幸なことじゃない。
友情と連帯を、こういう風にーーコバヤシさんとワダさんみたいにーーさらりと示してくれるひとが周りにいれば、なおさら。




SWITCH vol.26 No.10(スイッチ2008年10月号)特集:小泉今日子[KOIZUMI KYOKO complete works 2008]