●肉も作為も2.5倍で


本日のなんだかな。


日本マクドナルド:新商品に1万5000人来店!…実はバイト1000人動員−−大阪


行列はやらせ?マクドナルドが試食の短期バイト千人動員


マクドナルドがサクラで行列演出? 新商品先行販売で


マクドナルド新商品発売時、220人に開店時に集まるよう依頼 うち20人は徹夜組


策に溺れた日本マクドナルド


マクドナルド(2702)が続急落、やらせ報道と利益確定売り




この販売キャンペーンでマクドナルドのスタッフたちが来ているジャンパーの背中には、あるメッセージが書かれている。
いわく、「ハンバーガーをナメているすべての人たちへ」

あまり品のある言い回しではない。
勝手にケンカ腰になっている印象を受ける。浅薄で挑発的だ。
こういう言辞を思いつく人ほど、きっといろんなものを「ナメている」んじゃないだろうか。


それにしても、ファストフード系の外食産業が「行列」をパブリシティに使うようになったのはいつ頃からだろう。
私くらいの世代だと、まず最初に思い出すのは、1985年、東京・西麻布にできたアイスクリームショップ「ホブソンズ」である。
といっても関西育ちの私は、メディアを通して知っているような気になっているだけなのだが。


ただ、当時は大阪にもある種の気風があった。
プレイガイドジャーナルもあったし、L-magazineもあった。
プガジャの連載企画「大阪呑気事典」では、大阪特有のオモロい事例が諧謔味たっぷりによく掲載されていた。
そこで暗黙のうちに了解されていた事柄のひとつに、「大阪人は並んでまで食いもんを漁るような貧しい真似はしない」という考えがあった。
なぜなら、並ぶまでもなく、そこそこ旨い店があちこちにあるからだ。
加えて人一倍イラチなのが大阪の人間だからだ。


だからそのホブソンズの行列バナシを聞いても、その感想は、「ふーん」というか「あ、そう」というか、早い話が「云うたらなんやけど、阿呆ちゃう?」というのが率直なところだった。
健全な批評精神の宿った識見だと思う。


その頃の吉田秋生のマンガ−−たしか『櫻の園』−−にも、「30分も並んでアイスクリーム買うような男、好きになれない」というセリフがあって、胸のすく思いがしたのを覚えてる。


あれから23年。
調子に乗ったパブリシストたちが、ふざけた“戦略”とやらを仕掛けた場所が、よりによって大阪とはね。
ずいぶんナメられたものである。


ま、去年この本読んで以来、ここで売ってる商品は、コーヒー以外、一切口にしてないのだが。




おいしいハンバーガーのこわい話