●ポメラニアンズの仲間入り


第五のメモ帖?


ポメラ導入。


  


ヨドバシカメラの電子辞書売場でシレッと売ってた。
昔のオリベッティを思わせるオレンジ(あれは計算機だったっけ?)も捨てがたかったが、白はあるかと訊いてみたら、今回の入荷のなかで最後の一台が残っているという。
あるだけのポイントを引いてもらい、輸入CD2枚ほどの額で手に入れた。


折り畳んだときのサイズは思いのほか小振り。しかし開いたキーボードは両手で打つのに充分耐える広さ。まずそこに感激。
職場で、信頼できる3人の文具狂の方々に披露したところ、皆もやはり、第1にまず、このキーボードに感嘆していた。
コンパクトながら、きちんと両手で打てる文章入力マシンを求めている層は確実にいるのだ。


第2に唸らせられるのは起動の速さ。電源キーを長押しして、ものの3秒で完全に起ち上がる。


第3に皆が気にするのは、バッテリーは何?ということだが、「単4の乾電池2本で20時間保つらしい」というと、一様に眼の色が変わってくる。
3種類選べるなかから真ん中の大きさの文字を選択すると、単色のディスプレイ画面に表示できるのは20文字×12行。
ふた昔ばかり前の「書院」や「文豪」といった名の付いたワードプロセッサーを覚えている世代には懐かしくもある画面。余分な表示がなく、かえって見やすい。バックライトはないが、だからこそ、このバッテリーの保ちが達成できるのだろう。


コンパクトで真っ当なキーボード、素速い起動、残り時間を気にしないでいい電源。
これら三つのポイントがクリアされているものが、PCにはなかった。いま話題の5万円クラスのミニサイズのポケットPCにしても、キーボードの打ち心地をここまで考慮して設計されているものは少ないだろう。
バッテリーとなると論外で、アルカリ電池で動くPCなどあり得ない。
この単機能のデバイスがーーいや、あえてここは「文具」と呼ぶべきだろうーー文具がそれを可能にした。
誰もがなんとなく思い浮かべながら形にできなかったことを具体化して差し出してくれた。


10年前、フィルムカメラの世界でコシナフォクトレンダーBESSA-Lが、レンジファインダー機に新たな流れを作り出したのに似たものを感じる。
割り切った造りの単機能のプロダクツが思いもしない成果を呼び込む、そういうのって話としても嬉しい。
ガラパゴス的だといわれるかもしれないが、なんだがごつごつといろんなことができるという可能性だけくっつけられて、いびつな十徳ナイフみたいになったケータイとかデジカメをみると、BESSApomeraの佇まいはまことにすがすがしく映る。


ここまでの文章はすべてポメラで打った。
時間にして40分ほどかかったが、すぐに馴れていくと思う。


2009/01/14 23:50


キングジム デジタルメモ ポメラ  DM10 パールホワイト