●備忘日録:濃いくちの日々


なんだかわけの分からないうちに一週間が過ぎてゆく。
年の瀬が近づくのに合わせて、誰かが加速装置を噛んだのか。
とりあえず、日々の記録。



11/17(火)

ミーティングづくしの火曜日。
定例のものから、年末のイベントに向けてのもの、イレギュラーな企画について、などなど。
どれも時間がない中での作業になることが見えてるだけに悩ましい。


夜は2本のスポット制作。
どちらも、「半分、『イメージ広告』みたいなもので」というオーダー。
とはいえ告知すべき事項もそれはそれであるわけで。
ナレーションパートだけで20秒くらいは、すぐ経ってしまう。
ま、それぞれのアーティストの音楽性にのっとったフックをそれぞれ付けて、なんとか仕上げた(例によってやや反則気味?)。



11/18(水)

午前中から七五三。
自分が子供の頃しなかったので新鮮。
というか、まあ、チビたちにええベベ着せて写真館でポートレイト撮るだけなんだけど、うん、嫌いじゃないな、これは。
まず「写真館」てのが良い。
コストパフォーマンスでいえば、今日び、家でレフ板立てて撮るって手も、充分な説得力があると思うのだけれど、なんかな、昭和の風習って感じにやられてるんかな。
あと、「ええベベ」ってとこもいい。
親バカが和服コスプレさせてるだけやんと言われればそれまでなわけだけれども、なんかね。


夕方は、一転してハードな試写会。
「ドキュメンタリー頭脳警察・第1部」@堀江。
見応えのある中身ながら、諸手を挙げて絶賛とはいかなかった。


PANTA自身の音楽シーンへの復帰が2006年。
そこからさらに今回の脳警復活に至るまでの2年余りを追っている。
計5時間以上を3部に分けた最初のパートが今日、私が観たもの。
力の入った内容ながら、いわく言い難いなかなか微妙な感じも残った。
ソロ時代も(むしろソロの方が)好きな俺みたいな奴からすると、そこまで「頭脳警察」という金看板が大きいか、とやや違和感を覚えるのは正直なところ。
3年前の、陽炎を率いてのソロライブも素晴らしかったから、なんでまた脳警なの? という疑念はもともとあって、それは今日観た限りでは晴れなかった。


次作以降の予告編も流れていた。
第2部は収監された重信房子との交流を経て産み出される歌について。
第3部では京大西部講堂での頭脳警察ライブまでが描かれる、とのこと。


日本赤軍連合赤軍は別物なわけだけれど、ここにきて、山本直樹の『レッド』など、連赤に対する視座の更新を迫る表現が出てきている。
じゃあパレスチナに行った者たちはどうなんだろう。
私はおそらく革命の闘士としての彼でなく、物語作家として、あるいは叙事詩人としてのPANTAが好きなのだ。
だから第2部において、PANTAが一連の70年代前半の出来事をどう捉え返すのかには興味がある。



11/19(木)

今日も今日とて、濃厚。
遠藤賢司@梅田Shangri-La。「デビュー40周年!それがどうした!」
御年62歳。
エンケンの存在やパフォーマンス」が凄いのはさんざん言われていることだから、「エンケンの音楽」が凄いってことをちゃんと言おうという意見もあるのだけれど、4年ぶりに直に観るステージは、やっぱり凄かった。


「猫が眠ってる」「ほんとだよ」「満足できるかな」「カレーライス」といった初期の名曲たち。
「裸の大宇宙」「踊ろよベイビー」という爆音エキセントリックナンバー。


このあたりで、ゲストとして土屋昌巳氏が招き入れられた。
土屋さんがまた、以前とまったく変わらない出で立ち--七色の髪、サイケなドレスシャツ、クールなストラト--なのに驚く。
いったい幾つなのか見当がつかない。まるで泉鏡花の世界の住人みたいだ。


ふたりで、ニューアルバムから「金平糖」「僕の音楽は本当に良いの」「君にふにゃふにゃ」。
土屋氏がはけて、今度はエンケンがひとり鍵盤に。新譜から「君は僕の人魚姫」。
つづいて「不滅の男」「夜汽車のブルース」で本篇締め。
アンコールは「俺は勝つ」「夢よ叫べ」。


わけのわからないパワーをもらい、福島から南森町までズシズシと歩いて戻る。
純音楽一代 遠藤賢司厳選名曲集 (2枚組み)



11/20(金)

今日は午後から、その遠藤賢司さんを迎えて1時間ものの特集番組の収録。
打ち合わせののち、まずスタジオライブ……いや、実況実演を録る。
1曲歌うあいだに、ギターの弦が次々に切れていく。
歌いながら持ち替え、持ち替え、3台目がなんとか頑張ってくれて、完了。
この辺のハプニングもエンケンライブの醍醐味。


後半のインタビューでは、純音楽家として音楽に向かう姿勢が、ぽろりぽろりと語られ、かいまみえた。
理屈を嫌い、好きな女の子にふにゃふにゃとなるのがいちばん大事だよという62歳。
なんとかあのエッセンスを封じ込めたまま、編集したい。


4時間に及んだ収録を終え、夕方、空きっ腹を抱えて表へ。
何の気なしに入ったすき家で、特に考えることなく頼んでいたのは、カレーライスだった。
君にふにゃふにゃ


※ この番組のオンエアは、FM802にて、11/27(金)23:00〜24:00 再:11/29(日)24:00〜25:00




11/21(土)

レギュラーの生放送のオンエア。
年末のロックフェスの特集。
曲のかけ方に、もうひと工夫凝らすべきだったかなと個人的な反省は少々あったが、しかし骨のあるロックミュージックが次々と流れてくるラジオってのはいいものだ。
「ラジオに必要なのはヒット曲」というテーゼについて、ここしばらくあれこれ考えているので、ある種、確信を得たところもある。



11/22(日)

世の中は連休。昼間の梅田は人が溢れてる。
チビ2号を載せたベビーカーを押し、チビ1号の手を引いた子連れ狼状態で地下街を歩く。
近所の商店街ではなにかと助けてもらえるが、ここではそういうことは期待できない。


大声で携帯と話しながら、人波を押しのけて歩いてくる若い女がいる。
前方やや上方しか見ていない。
「せやんかー。わかんで。そうそう。せやしさぁ。せやねんせやねん
なにか病んでるぜ。
チビ1号を引き寄せ、守りながら進む。


夕方、ジュンク堂に寄ると、『誰も寝てはならぬ 12巻』と『キーチVS 4巻』が出ていたので購入。
誰も寝てはならぬ(12) (ワイドKC モーニング) キーチVS 4 (ビッグコミックス)


仕事しながら、深夜に備える。
テレビをつけたら大河ドラマの最終回。
それは別によしとして、来週から『坂の上の雲』が始まることを知る。
なんだかんだいって、これは愉しみ。
松山の土地勘も、ちょっとだけど出来たことだし。
新装版 坂の上の雲 (1) (文春文庫)


夜中の1時半から、文化系トークラジオLifeの「Twitterはじめました」のストリーミング放送。
聴く。同時にTwitterを見る。ときおり書き込む。
缶ビールもガシガシ呑む。


番組後半は、アクセス多数のせいか、ストリーミングがしょっちゅう落ちる。
途中、まったく聴けない時間も数十分あった。


内容は、表層的な話が多く、正直いまひとつ。
これが「祭り」というものなのかもしれないが、リスナー(昨夜の場合は、含むTwitterユーザ)からのリアクションを煽ったり、その手の現象面を追うことに終始した印象。
一応、オンエアの最後まで聴いて、寝落ち。



11/23(月)

昨夜のLife祭りのその後の様子を見ようと、twitterを覗いてみる。
どうも、本篇のあとの外伝の方が、本質的な話になっていたという噂。
Podcast配信を愉しみに待つ。


そのまま、なかなか充実した三複線同時進行ツイートを続けていると、あっというまに昼過ぎ。
メシ炊いて、遅い衣替えやって部屋片付けて、洗濯してインタビュー編集してると、あっというまに暗くなってた。


表紙が怖すぎて手をつけてなかった「キーチVS」、読んでみるかな。